2010年01月28日

花びら餅にはなぜゴボウが突き刺さっているのか

花びら餅.jpg


川口カルチャーセンターで「大人の修学旅行講座」がはじまりました。
座学ですが、古都の味覚とともにバーチャル京都・奈良を楽しむひとときです。

第一回は「京都の正月」と題して、老舗和菓子店の花びら餅をいただきながらの会。
花びら餅を正月に食すわけのひとつに「歯がため」の儀式の名残があります。

歯がためって何??ですが、

そもそもは固いものを噛んで、長寿を願う儀式だったそう。
歯が丈夫ならば、長生きできると昔の人は考えていたのでしょう。
今のような歯科医療が発達していない大昔のこと、自分の歯が抜け落ちてしまったら固いものは食べられず、自然と栄養の吸収が落ち、体が弱っていくばかり・・・。
だからこそ、年の初めに固いものをがっちり噛んで、うん、まだまだ大丈夫、と自分の寿命を確認したのかもしれません。

で、花びら餅のルーツは元はといえば雑煮でした。その中に「歯がため」のための固いものとして鮎の塩漬けが入っていたそうです。
当時は保存技術が限られているので、自然と塩に漬けたり、干物にすることになります。
それで塩で身がカリカリに締まった固い鮎を噛んだわけです。

それが江戸時代、砂糖の生産が増え、和菓子文化が花開いた時代、花びら餅はしょっからい雑煮風のものから、甘いスイーツへと変化していきます。

固い鮎は甘く炊いたゴボウに変わるわけです。当時のゴボウはまだまだ固かったのかもしれませんねえ。
しかしながら今、私たちが口にする花びら餅のゴボウは、とても柔らかく、「歯がため」をついつい忘れてしまいそうな、極上の甘みになっています。
甘くてやわらかなゴボウを口の中で遊ばせながら、歯の健康をしみじみ感じてみるというのも、「花びら餅」の役目。
正月にしか食べられないありがたい和菓子に秘められた、人々の願いを感じてみてはいかがでしょうか。



写真は「鶴屋吉信」の花びら餅。
1月10日以降1月いっぱいは3日前までに要予約。


posted by みやこ at 00:52| Comment(0) | 京都講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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